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コペンハーゲン会議から《三日目》 [地球温暖化問題の国際交渉]

会議の三日目のようすです.

事務官による交渉プロセスが動いていますが,そろそろ大臣級が集まり始めているようです.最終的には,環境大臣だけでなく首脳も100カ国以上参加するという前代未聞の状況になります(セキュリティーの点からわれわれはどうなるのでしょう?).

さて,三日目に参加したサイドイベントのひとつに,途上国貧困地域における Cooking Stove に関するものがありました.われわれPEARが行ってきているバイオガス・マイクロダイジェスターも,厨房用エネルギー供給で,従来型の練炭や薪の調理ストーブを,ガスコンロに転換するものですので,類似のものですし,「求めているところ」は同じだと思います.

そこで学んだことの一つは,煤の人体への影響の大きさです.屋内大気汚染問題が,かなり大きな問題であることを知りました.そのうちにきちんと(それをなくすことによる便益を)定量化したいと思っています.

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さて,昨日お伝えしたリーク文書ですが,よく読んでみるとなかなかよくできています.すこしそれを考えてみましょう.

ひとつは,(コペンハーゲンで legally binding な国際協定に合意するのが難しい中で) とりあえず「運用できる」枠組みとしてコペンハーゲン合意を位置づけ,タイムフレームも決めた形で,きちんと次の国際協定合意につなげるということを謳っていることです.

Shared Vision のところでは,グローバルな排出量のピーク時期と,2050年半減という "goal" を設定しています(先進国は80%削減).これは現世代の最高意思決定者(首脳たち)からのメッセージとなるわけです.

緩和 mitigation (CO2などの削減に関する点です)に関しては,とくに途上国に関して,いろいろ「実質的な」すなわち実効性のある方法が導入されています.これに関しては,また次回にでもご紹介しましょう.

一方で先進国に関しても,目標は当然 京都方式の絶対量目標ですが,途上国支援関係に関しても,MRV (measurable, reportable, verifiable) な仕組みをきちんと用意しています.「言いっぱなし」にならずにきちんと実効性・運用性を高めるという点を重視しているのがいいですね.

もちろん,これがそのまま合意されることはないでしょうが,ひとつのイメージとして,決定前の事前分析には役にたつ文章です.

松尾 直樹



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