カンクン会議: 二週目の火曜日 [地球温暖化問題の国際交渉]
いま火曜日の朝です.今日も天候は穏やかな一日のようです.
3時から,環境大臣級が次々にステートメントを行います.きょうは EUがハイライトでしょうか.日本は木曜のお昼頃の予定だったと思います.さて,何か新しいことが発表されるでしょうか?
議長国メキシコの交渉は,皆の声をちゃんと聞くという点では評判がいいようですが,今後はどうなるのでしょうか.閣僚レベルになってくると,通常は次第に少人数で小さな部屋で交渉が行われます.これは「通常の」ことです.今回も(コペンハーゲンの亡霊を払って)そのようにしてもらいたいものです.
昨日は,朝に行こうとしたLDCのCDMのファイナンスに関するサイドイベントがキャンセルされてしまいました.
午後は,米国エネルギー省長官のチュー博士(なんとノーベル物理学賞受賞者です.米国はすごいですね)が話をすると言うことで,30分前にブースに行きました.ところが長蛇の列で,結局,別室でモニターで拝見するだけとなりました.
内容は,エネルギーや気候変動のことを,さすが学者という感じで話をされていました.あれでは,まわりのお役人ではついて行けないかもしれません(笑).かなり専門性の高い話でした.元物理学者のわたしは愉しかったですが...
IIASAは,温暖化の世界では,トップダウン型エネルギー系のモデルで有名ですが,今回はボトムアップ的な分析をベースにした研究プログラムを話していました.途上国のエネルギーアクセスなどのコスト/便益分析をかなりしっかりしている印象でした.日本ではコベネがローカルな環境面を意味すると狭い解釈がありますが,きちんと広く捉えているようです.来年の春に報告書が出るようなので,期待しましょう.
また,今年も中国の研究者による「カーボンバジェット」プロポーザルの発表がありました.過去の排出量総量をベースとした世界のキャップアンドトレードシステムです.今回は必ずしも中国が便益を受けるわけではないと言っていました.
この提案が国際交渉の場で採り上げられるとは思えませんが,もし中国政府が裏から強く戦略的にバックアップしていたら... そのような戦略性はないと感じていますが,さてどうでしょう?
インドのCDMのサイドイベントでは,世銀がPoAの分析をしていました.ちょっと気になったのは,バリデーション時点で問題がなかったサンプリング手法が,実際にプロジェクトが動き出したら変なことになる可能性があまり評価されていませんでした.「プログラム」をちゃんとオーガナイズするところのコストは,強調されていました.
サイドイベントの会場のカンクンメッセでは,いろんな団体のブースがあり,いろんな刊行物などがたくさん並べられています.おみやげをくれる場合もあり,わたしはPEARのプロジェクトを実施しているバングラデシュの国のブースで話をしたら,帽子をもらいました.
その他,いろんな「もの」を持ち込んでいるケースもあり,下の写真は「改良かまど」です.燃料効率がかなり上がります.いろんな形態のものが,途上国貧困地域で使われています
それでは,きょうはまず IETAでの経団連のサイドイベントに行ってこようかな...
松尾 直樹 @まだ時差が残っています...
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