O. カーボンオフセットって何なの? [カーボンオフセットの本質とは?]
カーボンオフセット・サービスは,目に見えないサービスです.したがって,それを提供する人は,きちんと説明をしなければなりません.ところが,実態としては「わかるようで よくわからない」という話をきくことも多いですね.実際,排出権取引自体が経験のない日本では,きちんと理解あるいは整理をせずに動いているところがあるような気がします.
したがって,何度かに分けて,カーボンオフセットとは何であり,そのサービスとはどのようなものであるか?というご説明をいたしましょう.
そのため,カーボンオフセットを考えるにあたってのポイントを,次のような「疑問」に答える,という形で整理してみましょう:
A.「カーボンオフセットは排出権取引なの?」《← 規制とは異なる自主活動》
B.「カーボンオフセットは何のオフセット?」《← 排出活動と排出量算定》
C.「オフセットってどういうことなの?」《← 京都議定書目標に使うことへの疑問》
D.「カーボンオフセットは寄付金なの?」《← 地球に負荷をかけている当事者としての自覚》
E.「排出削減クレジットは本当に削減になっているの?」《← 削減量の信頼性》
F.「どんなタイプのプロジェクトでもいいの?」《← プロジェクトの質》
G.「オフセットしさえすればいいの?」《← 行動変革の重要性》
H.「わたしの支払ったお金はどう使われたの?」《← サービスプロバイダーとしての信頼性》
I.「世界のカーボンオフセット事情」《← ワールドスタンダードなカーボンオフセット》
これらの疑問に,順次 答えていき,かつPEARがその疑問にどう応えているか?という点をご説明したいと思っています.
それによって,カーボンオフセットがどういうものか,ご理解いただけると思います.ほかにも,疑問がありましたら,お寄せ下さい.
松尾 直樹
PEARのブログ立ち上げにあたって [PEARの What's New]
PEARカーボンオフセット は,2008年6月13日から,一般消費者向けのカーボンオフセットサービスを開始しました.それにともなって,OfficialなWebで書くにはちょっと... という内容などを,こちらでブログという形で記載することとしました.
目に見えない「カーボンオフセット」というものは,いったいどういうもので,どのように理解したらいいのか?というような点を考えたり,どのように信頼性を確保しようとしているか,というような工夫などもご紹介したいと思っています.PEARが自ら開発しているプロジェクトの苦労話なども,きっとPEARのことを理解していただくだけでなく,地球温暖化問題と途上国の持続可能な開発のあり方を考えるいい機会となるでしょう.
さいわい,PEARには,地球温暖化問題などの専門家が 多くたずさわってくれています.国際交渉,排出権取引制度,CDMプロジェクト,GHGインベントリー,途上国における再生可能エネルギー など,多様な側面を持つ地球温暖化問題をかなり広くカバーしています.キャリア的にも,シンクタンク/政府系研究所,コンサルタント,役所,財団法人,監査法人,大学,ロハス系アウトドアメーカーなど,多岐にわたっています.
このPEARスタッフは,PEARのもつコンセプトに共感して集まり,PEARを通じて,地球温暖化問題や途上国の開発問題に寄与していきたい と熱い想いを持っています.そして,それぞれの専門性を活かしながら,PEARを通じて,自分たちの理想とする方向性にすこしでも近づいていけるように,日夜 努力を重ねています.
このブログは,そのようなスタッフからのメッセージでもあります.
PEARの考えに共感していただける人たちの輪が,これを通じて大きくなっていくことを願っています.
松尾 直樹
[写真は,ブッシュ大統領の米国離脱宣言で成立が危ぶまれた「京都議定書のルール」のコア部分=ボン合意 が成立し,京都議定書体制がいよいよ動き出せることが決まった感動的瞬間です,槌を降ろすのはプロンク議長.(2001 @COP 6.5)]
P.S.
松尾のコンサルタント会社である Climate Experts においても,地球温暖化問題に関するコラム がありますので,よろしかったらご覧下さい.